「沖縄の実家に用ができて、急遽、帰省しなくちゃいけなくて。
でも、うちの会社、テレワークできるからこの際、2週間、沖縄に帰ることにしたんだ!」
テレワークと出社を両立させているハイブリット勤務の会社が増えて、以前なら1日実家に帰省するために有休をとって数日休まなければいけなかったところ、長期間、実家で親孝行をしながら仕事もできる、こんなことが可能な時代になりました。
「テレワーク」の導入や継続は、企業によって禁止、縮小の方向をとるところもありますが、コロナ後も、ハイブリット型や、テレワーク(在宅ワーク)を自由に選択できる企業は多くあります。
政府や企業は、コロナ前から、少子高齢化による労働人口が今後も目減りし続ける課題に対して「多様で柔軟な働き方」を取り入れる施策を推し進めてきましたが、コロナによってテレワークは一気に普及し浸透し、「柔軟な働き方」のみならず、時間や場所が選択できる「自由な働き方」に憧れる人が増えています。
今日は「多様で柔軟な働き方」と「自由な働き方」について解説し、あなたのこれからの仕事、働き方のヒントにしていただければと思います。
なぜ多様で柔軟な働き方が注目を浴びているの?
先程、政府や企業は「多様で柔軟な働き方」を取り入れる施策を推し進めていると説明しました。
労働人口の減少に対応するための目下の課題として「離職率の低下」があり、それを防ぐために、優秀な人材を確保し、できるだけ長く働いてもらうことが必要です。そのため、従業員満足度を向上させる施策として「多様で柔軟な働き方」を取り入れているわけです。
多様で柔軟な働き方として挙げられるのは、大きくわけて以下の4つです。
・テレワーク
・時短勤務
・フレックスタイム制
・副業の容認
働く場所や時間を柔軟にすると、育児や介護で仕事をセーブせざるを得ない、もしくは退職しなければならない人を減らすことができます。
下記の引用は政府の「仕事と生活の調和推進サイト」の抜粋ですが、柔軟な働き方のメリットは、「ワークライフバランス」が向上する点です。
多様な働き方が確保されることによって、個人のライフスタイルやライフサイクルに合わせた働き方の選択が可能となり、性や年齢にかかわらず仕事と生活との調和を図ることができるようになる。男性も育児・介護・家事や地域活動、さらには自己啓発のための時間を確保できるようになり、女性については、仕事と結婚・出産・育児との両立が可能になる。「仕事と生活の調和」の推進サイト「労働市場改革専門調査会第一次報告」(平成19年4月 経済財政諮問会議労働市場改革専門調査会)
ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」という意味ですが、企業側がワークライフバランスを重要視しするのは、やむを得ない状況で退職する人を防ぐ以外に、プライベートの充実や満足度を上げると、従業員の働く意欲が増え、仕事の生産性も比例して向上することが見込めるからです。
そして、コロナでのテレワークの導入で、通勤時間のカット、通勤ストレスの軽減、プライベートタイムの増加というワークライフバランスが向上したと言われています。
地方移住やUターンでも仕事の継続が可能に!
テレワークやDX(業務のデジタル化)により、地方移住が可能になり、また、逆に首都圏や都心の企業も、地方からフルリモートで優秀な人財を雇用できるようになったため、地方自治体もIT人材の育成と雇用促進に力をいれてきています。
これによって、ますます場所に捉われず仕事や働き方を選ぶこと可能になっています。
時間や場所の制限を解くことで、ワークライフバランスを向上させ、従業員満足度を高める、そうしながら、人手不足を補っていく施策は、これからも時代の追い風を受けてますます加速していくでしょう。
これに伴い、働き方の選択肢が多い会社は柔軟で自由度が高いと評価されますが、ここで紹介したのは、あくまで働く時間と場所の自由に限られます。
仕事の自由度という意味では「自分で裁量できる自由」も重要な基準ともいえます。
では次に「自分で裁量できる自由な仕事とは何か?」について解説します。
「自分で決める自由な仕事」とは?
「自分で裁量できる自由な仕事」とは、つまり「自分の考えに基づいて判断し行動できる仕事」です。
例えば、職種でいうとコンサルタントやマーケッター、研究開発職や、営業、士業などが挙げられます。
これからの職種は、自分の能力を仕事にダイレクトに反映させられるため、これを求める人にとっては、精神的なやりがいや満足感を得られる働き方と言えます。
たとえ働き方や時間を変えることができても、自己裁量が得られないと満足できないという人もいるでしょう。
自己裁量の度合いが高い役職がゆえに、時間や場所の制限がある人もいますし、そのためなら、その自由は特に必要ないと感じる人もいます。
今の仕事、職種や会社の働き方の制度が窮屈で「働く自由を手に入れたい」と感じている人は、本当はどんな自由を望んでいるのか?を自問自答してみることが重要です。
究極を言うと、場所や時間に捉われない自由な働き方、そして自己裁量が高い自由さを叶えるならフリーランスでしょう。
しかし、自由度が高い反面、当然、仕事の責任感や収入面での不安定さなどを超えてでもやる覚悟が必要です。
もし副業が認められている職場であれば、会社での仕事は自己裁量が少ない立場や職種であっても、副業なら自分のやりたいことや能力を活かすものにチャレンジできるという理由で自由を感じることでもできるでしょう。
このように何が自由なのか?そして、どんな自由を望むのか?は人それぞれ異なり、まさしく多様化しています。
仕事、働き方の自由を手に入れるチャンスが到来!それを叶えるための本当のスキルとは?
自由な働き方をしたい、という言葉の奥には「自分らしい生き方をしたい」、「自分の能力を存分に発揮したい」、という願望が隠れていると言えます。
自由で柔軟な働き方、職業がどんどん推し進められている今、雇用される側、職業や働き方を選ぶ側は、何に最大限の価値を置くのかが求められています。
それは、これが正しい、これが成功だ!と一定の社会的価値基準という物差しがあった時代と異なり、今は、自由な反面、仕事を通してどう生きるのかを自分で選択しなければならないという個人の責任が増えた時代とも言えます。
これからの時代に個人に求められる本当のスキルとは、周りの価値観や周囲に流されず「自分の生き方」を自分で認める力や自分で決める能力ではないかと思います。
まとめ
政府の施策により企業が多様で柔軟な働き方を推進している理由が少子化社会の労働人口を効率よく確保することであるとお伝えしました。また、働く自由は、場所や時間のみならず、どんな仕事に就くかによっても自由を図る基準が異なるため、流行りの「自由な働き方への憧れ」だけではなく、自分にとっての自由とは何か?を知ることや、周りに流されない自分の価値観を自分で決める能力であると提案しています。