さて新年から1ヶ月が過ぎた頃ですが、早くも「今年の目標を忘れてしまった・・」という人も多いのではないでしょうか?
ギクッとされた方、安心してください^^
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱している忘却曲線という「人の記憶の忘却」についての研究結果によると、人は学んだことを1日後には67%も忘れてしまうそうです。
もしも年始に新しい手帳を買って意気揚々と目標を書きしたためたに拘わらず、もうすっかり忘れてしまっていても、それは、あなただけではありません(笑)
人は忘却する生きもの、ほとんどの人が対策を立てないと忘れてしまうものなのです!
さて今日のテーマは目標達成についてですが、中でも、より効果的な達成のために「集中することと休むこと」を取り上げます。
集中力が目標達成に不可欠なのは容易に想像できますが、休息をとったり、休むことは目標達成を妨げるイメージがあります。
でも実は、その逆で、十分な休息が集中力を増やし、目標達成の大きなパワーになるものなのです。
今日は目標に集中する力を育てることと休むスキルを身に着ける効果について解説していきます。
目標と集中力の関係
目標と集中力の関係を理解し大いに活用しているのはスポーツの分野です。
有名な話ですが、スペインのサッカーチーム、レアル・マドリードのクリスチアーノ・ロナウド選手は、フリーキック前に5歩下がり、呼吸を整え、一点を見つめて集中し、その間に自分の理想的なキックから生まれるボールの軌道をイメージする、これによって成功する結果を最大に引出していると言われています。
ポイントは、理想的な状態、目標が達成した状態に集中している点です。
つまり、目標の成功イメージに集中することが夢の実現や目標達成を効果的にするとても重要なプロセスという訳です。
この集中力がないと、プレッシャーや不安や心配、恐れという感情に足を引っ張られ、自信を損ない、結果、失敗や諦めへと繋がっていくのは想像できます。
メンタルトレーニングで行う目標に集中する力とは、自分の達成したい事柄や夢をイメージの中で思い描き、それが達成したらどんな気分にになるのか?という感情や五感も含め描き感じきることです。
このようにして心の状態を目標達成した状態に集中していきます。感情が動くまでイメージに集中すると、達成感、満足感が自信と成功できる自分という態度をつくります。
そうすると自然と行動が起こり、チャンスもつかめていくのです。
目標達成に必要な「集中力」を育てる3つの要素
目標に集中することが大切なことはわかりました。次に日常生活で仕事や人生の目標達成に向けて集中するにはどうすればいいのでしょうか、ここでは3つの要素を紹介します。
①集中する環境を整える
通常の仕事や人生の目標設定は、①目標を設定する②目標の期日を決める③行動計画を立てる④定期的に目標を見直すことですが、③の行動計画に達成した目標に集中して心を整えることを加えてしまいましょう。日々のルーティンに取り入れて習慣化してしまうのもお勧めです。
そして次に、目標を忘れないようにいつでも目に留まるところ貼っておくこと、これも環境つくりの一環です。そして、一日のうち30秒でも自分の成功イメージに集中する時間をつくりましょう。
②集中力を削ぐものをやめる
自分の集中力を削るものを知って、それに影響を受けないように対策します。
スマホ
スマホのアプリは常に私の達の集中力を妨げてきます。アプリの通知は人の注意をとるための機能なので、機能をOFFにする、電源を切るなどを試してみるとどれから集中できるかわかるでしょう。
整理整頓をする
部屋や空間の環境は自分の思考や心の反映と言われますが、どこに何があるかわからないくらいの雑多な状態は本人は気にしていなくとも以外に注意力が奪われています。多くの人は整理整頓をすると心もスッキリした経験をお持ちでしょう。空間と心の状態を整えると、集中力が増し作業が捗ります。
場所
同じ静かな環境でも自宅よりは図書館、コワーキングスペースの方が集中できるなど、場所、空間の影響は大きいです。人によってはカフェなど多少雑音があった方が集中できるという人もいます。自分にとって集中できる場所も探してみましょう。
③休息をとる
最後にとても大事なポイントですが、それは「休むこと」です。
人の集中力が持続する時間は平均して90分と言われています。それ以上を継続しても集中力が途絶え、ミスが増えたり、クリエイティブな発想も生まれにくくなります。
また、疲労した状態や体調不良では集中力が一気に下がります。寝不足の時は全く思考が働かず、頑張っても空回りになるのと同じです。
体力やエネルギーを回復させる休息は、集中力に最も必要です。
休むことでパフォーマンスを上げる「休息の効果」
「休息をとる」ことで集中力を上げ仕事の生産性があがると推奨されている本があります。
この本の冒頭には「高いパフォーマンスを引き出す」ために4つのエネルギー源①身体(筋力、持久力)、②情動(ハイポジティブなエネルギー)、③頭脳(注意力のコントロール)、④精神(高い目的意識)を強化し再生する必要があると述べられています。
4つのエネルギー源は仕事の生産性や目標達成にもちろん重要ですが、充実した幸せな人生を生きるためにも欠かせないものであり、そのために「休む技術を養う」ことの重要性を解説している本です。
意図的に休息をとることがハイパフォーマンスを産む例として、優秀なバイオリニストのパフォーマンスを研究した事例が紹介されています。
結果は優秀な演奏家は普通の人より集中的に練習に取り組んでいるだけでなく、しっかりと休息と回復の時間をとっていることがわかったとされています。休息することがより集中力の増加につながり、そして集中した練習はよいパフォーマンスに繋がるということです。
そうは言っても「休むことは怠慢でサボっているという概念」が人の意識に根強く潜んでおり、このことが効果的に休むことへのメンタルブロックになるとも本書で指摘されています。
「休む」ことは意外に簡単ではないようです。
ですから「休息をとる」ことも目標設定の行動計画の中にしっかり入れることをオススメします。
これまで、休むことを罪悪感として捉えてきた人にとっては「休む技術を養う」ことはこれまで常識を超えた考えで、もしかしたら、精神的に抵抗感を感じるかもしれません。
でも、より効果的に目標を達成していくためにも、勇気をもって休みましょう。
まとめ
目標を達成するには集中力が大切で、スポーツ選手などが取り入れている目標の成功イメージに集中する方法を紹介しました。
そして集中力を養う方法として①意識的に成功イメージに集中する時間をつくること②集中力を妨げるものを取り除くこと③効果的な休息をとることが大事であり、特に「休息すること」がハイパフォーマンスを産むと解説しました。
ただし、人間の心理の中に根強く潜んでいる「休むことはいけないこと、怠慢である」という考えから休憩をとることができない人が多いのも事実です。ですから、休む勇気をもつことが大切です。目標の成功イメージに集中する力を育てること、そのために休むこと、これまでこの概念がなかった人は目標達成のためにこの新習慣を取り入れてみましょう。